【同人誌ノウハウ】きらりと光るコピー本の技【化粧断ち】

コピー本を作ろうとお考えの皆様へ。
ちょっとした一手間でハイクオリティコピー本になりますよ。
化粧断ち
製本後、綴じていない3辺をカッターで切り落とす「化粧断ち」をしましょう。紙の端がきれいに揃うと「手作りコピー本」感が薄れます。仕上がりサイズは規格正寸にはなりませんが、2~3mmくらい寸法が違っていても、買う側はさほど気にはならないものです。
「断裁機とかないと無理ー」と思われるかもしれません。
大丈夫です。
定規とカッターで戦えます。あと安全のためカッターマットもご用意ください。
用意する道具
定規はよくあるプラスティックの透明なものではなく、金属定規もしくは金属が補強に入っている物を使いましょう。裏に滑り止めがついているものだとなおGood。文房具店やホームセンター、通販で購入できます。
【商品例】すべらないカッティング定規 アル助

*よくある事務用のプラ定規は断裁に不向きです
カッターは事務用のカッターで大丈夫ですが、総プラスチック製のものは刃がぐらぐらする物もあります(しないものもあります)。持つ部分はプラ製でも刃先付近が金属製になっている物をおすすめします。
刃はなんでもいいです。切れ味の良い「黒刃」というのものもあります。しかし、オルファかNT製の普通の刃で大丈夫です。
刃は「1冊切ったら1回刃を折る」くらいの頻度で刃を変えていくのがキモとなります。2冊くらいが限界かなと思います。特に紙の目(繊維の流れ)に垂直に刃を入れると痛みが早まり、切れ味が悪くなります。そして切れない刃で無理に力を入れて切ると、怪我に繋がります。
ちなみに、紙の目の単純な見分け方。紙を2つ折りにしたときに、綺麗に折れる側と、ちょっとゆがんだりぼこぼこしたりして綺麗に折れない側が出てきます。厚い紙になるほど顕著に表れ、コピー用紙程度だと違いは分かりにくいです。綺麗に折れる側は紙の繊維に沿っていて切りやすく、綺麗に折れない側は紙の繊維に垂直になっているので切りにくいのです。紙の目については紙販売で有名な竹尾のサイトで分かりやすく説明されています>>株式会社竹尾「紙の基礎知識|紙の流れ目」
紙の断裁作業における怪我の原因
- 定規をしっかり押さえておらず、カッターを持つ手の力に負け、定規がずれることによって、定規を押さえている指を切る
- カッターを強く持ちすぎて、勢い余って定規に乗せている手も切ってしまう
- 切れ味の悪い刃を無理に使うことによって、余分に力を入れないと紙が切れなくなり、その結果上記の事態が起こる。
怪我をしない切り方
- 定規は渾身の力で押さえる。カッターは軽く持ち、紙を1枚1枚切るくらいの軽い力でカッターを引く
- カッターは同じところに何度も刃を通す(つまり軽い力で切る)
- カッターの刃はこまめに折る。もったいないとか思わない。
カッターマットは必需品です。大きなサイズになればなるほど、当然値段が高くなってくるのですが、A4縦まで対応できる横10×縦30cmの細長いタイプだと100均で売っています。100均でも品質は問題ありません。

*100均で買ったカッターマットです
カッターマットは表面が滑りにくくなっていますので、作業のし易さが断然上がるのと、怪我の割合を低くすることができます。
おまけ
厚さ1.2cmくらいの紙の束を断裁してみました。仕上げに一番目の細かい2000番の紙やすりで断面を削るとなお良しの状態になります。

*このくらいの厚さの手切りとなると断面が毛羽立ってきます(筆者の修行不足です)