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【同人誌】印刷所に行って社長に話を聞いてきた!【レポート】

同人印刷を専門とする印刷会社に行き、実際に現場を見てきました。そして直に社長様よりお話を伺ってきました!!

今回取材にご協力いただいた印刷会社は「株式会社しまや出版」様です。

社長の小早川様に直接お話を聞く突撃取材です!

初心者にやさしいと銘打っているしまや出版様がどれだけ初心者にやさしいのか!?

 

実は池袋からバス1本で行けます。バス停を降りてからも、電柱に看板があるので迷うことなく到着しました。

*最寄バス停「宮城2丁目」を降りてすぐに看板。

2階に打合せスペースがあるので、まずはそこにお邪魔しました。

*しまや出版様が販売しているディスプレイツール「ダンダン段ボール」も打合せスペースにありました。藤原氏はこれを所有しており、しまや出版様取材をしようと思ったきっかけでもあります。

作家さんの色紙がたくさん飾られています。奥の本棚には実際発行された特殊装丁の同人誌も見本として並んでいました。

しまや出版様は直接社員の方と相談しながら発注ができます。紙見本もずらり。

*今回取材を快諾していただいた社長の小早川様です。

 

同人誌初心者の心配事について

(以下、社長小早川様→社、ライター藤原氏→藤と表記します)

藤:データを入稿して、印刷所から「OKです」という連絡が来るまで非常にドキドキする方が多いと思います。データに不備はないかとか。実際、データ不備で多いものはどういうものでしょう?

社:サイズ違い、ノンブル抜け、塗り足しが足りないという点が多いですね。サイズ違いはそもそもの問題ですし、ノンブルが無いと乱丁に繋がります。塗り足し部分が足りないと思った通りの仕上がりになりません。

藤:データ作成の基本ルールで守られていない項目を教えてください。

社:「サイズ」→意図しない部分の文字や絵柄が欠けてしまった
※JIS規格サイズについて分かりやすく図解されているのはこちら→竹尾 紙を選ぶ|紙の基礎知識:寸法
印刷用データはこの規格サイズに周辺3mm(印刷会社によっては5mm)の塗り足しを足したサイズで作らないといけません。例:A5判の本が作りたい→A5正寸148×210に周辺3mmを足した、154×216mmのキャンバスサイズが必要。

「解像度」→印刷が粗くなってしまった
※解像度…画像の細かさ。こちらのサイトが分かりやすいです→富士ゼロックス オフィス de Tips 第3回 『解像度が高ければいいってもんじゃない ~画像の基礎知識~』
カラーイラストの場合350dpi、本文モノクロの場合600dpiが一般とされています。

「カラーモード」→画面はRGBで鮮やかな色ですが、印刷はCMYKなので思っていた以上に色が暗くなってしまった ですね。
※RGB…色を重ねると究極には白になるモード、CMYK…色を重ねると究極には黒になるモード

最近はデータ原稿が多いので、画面上で見えている結果と印刷された結果の差異が感覚的にわかりずらい部分があるのだと思います。

実を言うと印刷会社内で修正できるミスもあるんですが、お客様の今後のことを考えて、お電話でフィードバックさせていただくこともあります。データの作り直しには時間がかかるかもしれませんが、納期に余裕を持って入稿いただければ、納品に影響はありません。もしぎりぎりの入稿になった場合、いろいろご相談となります…。

基本ルールに沿ってなくても印刷ができないことはないのですが、せっかく印刷会社を利用して本を作ろうというのであれば、出来る限り良い品質で本を作っていただきたいと考えていますので、原稿作成のルールについて当社としても分かりやすくホームページ上でアナウンス(原稿作成について)することに力を入れています。

 

データ作成について

藤:多く使用されているソフトやデータ形式はどのようなものでしょうか?

社:1位PSD原稿、2位PDF原稿、3位AI原稿です。

Photoshopを始めとした描画ソフトの方はやはりpsdで、wordやInDesignの方はpdfが多いです。ただ、2位と3位(Illustrator使用)の間には大きく差があります。特に当社ではwordで作成した原稿をPDFに書き出せるソフト(しまやカンタンword)の配信を行っていますので、PDFの割合も多いですね。

 

アナログ原稿について

藤:今、どのくらいアナログ(紙)原稿はありますか?

社:1割弱です。

やはりデジタルの時代なのは確かですね。以前は「絵を描く」といえば、原稿用紙に描く、アナログから入られる方が多かったですが、今は「アナログだと上手く描く自身が無い」とまで言う方もいらっしゃします。

藤:もはや、アンドゥ(元に戻る)機能がないと作画できない、という方も多いですね。

社:そして印刷会社から見ると、正直データ原稿に比べてアナログ原稿の方が作業工程が余分にかかるんです。アナログ原稿の場合には、まずスキャニングして、データ化したものを画面上でチェックしてゴミ取りなどをするんです。アナログ原稿を受け付けない会社さんや、アナログ原稿の場合には有料で受け付ける会社さんがあるのはこういう理由からなんです。

ただ当社としては、同人誌印刷会社の老舗として昔から関わってきていますので、アナログ原稿だからといって有料にしたりは現状考えていません。

昔は誰しもアナログでしたし、特にトーンが貼られていたり、下書きの線がうっすら見えていたりすると描かれた方の苦労・想いが、データよりストレートに見えるので、アナログ原稿はアナログ原稿の良さを感じられて好きですね。

 

オンデマンド印刷について

藤:昔は「オフセット」で刷ることが一種のステータスみたいな部分があって、オンデマンド本は少しガッカリ的な意識があったかと思います。ベタがマットで黒々としている程ステキ☆みたいな。

社:それが今は違うんですよ。コピー本はコンビニやキンコーズで今は非常に手軽にできますから、コピー本から入った若い人はオンデマンド印刷のトナーのテカリを気にしないようです。むしろ、ツヤツヤしていて良いという方もいらっしゃいます。

藤:それは意外です。私のような年期が入った者だとトナーのテカりが嫌という感覚でした。

社:今は本当に多様化したということです。

 

同人作家への愛

表紙デザインサービス

社:商業印刷しかやっていなかった会社が、同人印刷にどんどん参入してきています。お客様にとっては印刷会社の選択肢が非常に増えたわけです。印刷サービスを手間をかけずに安く提供するところもあれば、初心者に優しい会社もあり、印刷会社もそれぞれが差別化されてきています。私たちは同人誌が好きで、スタッフにも同人をやっている者もおります。だからこそしまや出版では単なる印刷に留まらない様々なお手伝いをしようと考えています。

藤:今、同人誌の表紙を請け負うデザイナーさんもたくさん出てきています。 御社の表紙デザインサービスの評判はいかがですか?

社:うちはかなり早い段階で表紙のセミオーダーをやり始めました。業界初ですかね。実際、文字書きのお客様からは好評です。「デザイン力がなくても感じの良い表紙が出来てありがたい」という感想も実際いただいております。通常、 外に頼むと別途お金がかかりますけど、うちのサービスは文芸セット料金内で出来るんです。

藤:いろいろな種類がありますね。

*表紙デザインサービスで特に評判の良いデザインを集めていただきました。偶然単色刷りが多くなりましたが、実際はフルカラーも種類が取り揃えられています。

社:単色、フルカラー併せて100種類くらいあります。

藤:文字書きの方にとっては表紙って頭が痛い部分なんですよね。

社:この「表紙デザインサービス」を目当てに弊社を利用してくださる方もいらっしゃいます。また、現在「表紙デザインサポートシステム」というソフトも開発しています。web上で表紙を自分で手軽にデザインするサポートシステムで、写真やイラストをアップロードし、タイトルを自分で簡単に入れられるようになります。ゴールデンウィーク頃を目途にリリース予定です。こういうお手伝いをどんどんしていくのが、他社との差別化=弊社の特徴になると考えています。

真の初心者は右も左も皆目見当がつかない

藤:こちらのミーティングスペースにはたくさんの見本がありますね。

社:実際に紙や加工見本を手に取ってご覧いただけますので、ここでいろいろ相談ができます。また原稿の作り方などもアドバイスしています。

藤:原稿の作り方ですか?

社:全くの初心者の方は「どういうソフトで作ったらいいいんですか?」「紙はどのようなものに書けばいいんですか?」というところから始まります。

同人誌LOVEな会社として

社:あと「初めて本を出すのですが、私は何部刷ったらいいんでしょう?」というご相談もありました。

藤:何部刷るかは個人の都合ですよね…

社:実際に同人活動をやっているスタッフが経験則に基づいてがアドバイスをさせていただきました。売上のことを考えると、たくさん刷っていただいたほうが良いわけですけど、お客様には長く、楽しく同人活動を続けていただきたいという想いがあります。

当社は老舗印刷会社として昔から同人誌LOVEのスタンスでやってきていますが、近年では様々な考えを持った会社がどんどん同人誌印刷に参入してきています。会社間で切磋琢磨していくことはもちろん悪いことではないのですが、その一方でサービスや品質の低下も懸念されます。長い年月で作られてきた同人誌業界の良さというのは薄れて欲しくないですね。

 

2020年コミケ問題

藤:同人中心でやられている会社さんは2020年の五輪開催におけるコミケ会場問題があるかと思いますが、御社はいかがですか?

社:昔はサークルさんもコミケに一極集中していたのですが、特に女性向けはスタジオYOUさんや赤ブーブー通信社さんのイベントにも分散している傾向にあります。五輪開催中まったく同人イベントが開催されないということはないと思いますが、ビックサイトの使用が現状では7か月間出来ない状態でもありますし、やはりコミケほどの規模は厳しいでしょう。当社としては例年通りコミケが開催されるのが一番です。日本同人誌印刷業組合でもビッグサイトでコミケが開催できるように署名活動を行っており、当社もそれを推進しています。

藤:日本展示会協会(日展協)が陳情等頑張っているようですが。

社:日本同人誌印刷業組合も日展協の動きに賛同していますし、同人誌を愛する皆様にも署名活動などにご協力いただきたいです。

 

最後に

社長さまはとても気さくな方で、ここでは記載しなかった私のしょーもない質問にも丁寧に答えてくださいました。

また『同人誌制作~入稿ガイドブック』という冊子をいただきました。最終ページに大きく「わからなくなったらまずは電話だ!」と記載されていました。(以前私の記事でも「不明点は恥ずかしがらずに印刷所へ問合せを」という旨を書かせていただきました)

*お役立ちパンフレットが準備されています。

今回の取材で印刷会社さんは初心者の方から相談してもらうことに抵抗がなく、むしろ親切に応対していただけることが分かりました。もちろん会社ごとに例外はあるでしょうし、しまや出版様と同じように親切対応をしていただける会社も他にあると思います。初心者の方はまずそういう印刷会社探しが重要ではないでしょうか。

 

※この記事は広告料などは一切頂いておらず、藤原氏の観点で書かれたものです。layers styleがしまや出版様の利用を積極的に推奨するわけではございません。また写真はしまや様の許可を得て撮影したものですので無断転載は堅く禁じます。

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藤原氏

藤原氏

同人誌制作歴約20年。
漫画原稿作成はアナログからフルデジタルまで。
印刷会社での勤務経験あり。

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